自分の夢に向かって、目標に向かって活き活きと仕事に取り組んでいる人たちは、みんな輝いている!
その歩みや言葉から、前向き&上手に仕事と付き合うヒントを探っていく『ポジティブ ワーキング スタイル』。
今回のゲストは、世界が注目するジャパンアニメーションのキーマンのひとりである、
クリエイターの“荒牧伸志”さんだ。
映画監督・クリエイター
荒牧伸志
どんな仕事でも自分なりに工夫してやれば、絶対に
楽しくなるもの。
全ては自分次第なんですよね。
作るだけでも楽しかったのに、その後の喜びもあった。「これはやめられないな」と。
Q.荒牧監督が、アニメーション作品やメカニックデザインに目覚めたきっかけというのは?
荒牧 何か特別なことがあったわけじゃなく、幼い頃からなんとなく好きだったものが、気がついたら仕事になっていたという感じなんですよね。
子供の頃、住んでいたのが田舎だったこともあり、基本的にテレビは映りませんでした(笑)。だから、当時大人気だった『鉄腕アトム』や『宇宙戦艦ヤマト』を観ようとしても、それっぽいものがザラザラと映っているだけ。絵を描くのも好きだったんですけど、お手本にならないわけですよ。ただ、すごく前向きに考えれば、そこで想像力が鍛えられたのかもしれないですね(笑)。
それと、あまり裕福な家庭ではなかったので、おもちゃもなかなか買ってもらえませんでした。だから、そこらへんに捨ててあった車やバイクのパーツや、テレビの残骸などが格好のおもちゃ代わりだったんです。中学生の頃には、兄貴と一緒にバイクのエンジンをばらしては組み立てるなんてこともしていました。その内部構造を絵で描いてみたりね。
もちろん当時は、将来こういったことを仕事にしようなんてことは考えていなかったですよ。高校生までは、親の勧めもあって公務員になろうと思っていましたから。まぁ、大学に入ったとたんにその意思はきれいさっぱり無くなり、好きなことばかりやっていましたが(笑)。
Q.その後、プロ意識が芽生えたのはいつ頃になるのですか?
荒牧 プロ意識というのとは少し違うかもしれませんが、大学時代に漫画サークルに所属していたんですね。好きな漫画を読んでは感想を言い合ったり、せいぜい同人誌を作るぐらいの活動だったんですが、広い部室がもらえたことをきっかけに、ボクが「みんなでアニメでも作らないか」と提案しまして。とりあえず5分ぐらいの作品をやみくもに作り、とある上映会に飛び入りで参加したんですね。そうしたら、思わぬ大喝采を受けちゃいまして(笑)。そのとき、めちゃくちゃ嬉しかったのと同時に、「これはやめられないな」と思いました。作るだけでもかなり楽しかったのに、その後の喜びもあったわけですからね。今思うと、あのときが「本気でやろう!」とスイッチが入った瞬間だったような気がします。
どうすれば“期待を超えた喜び”となるのか…。随分と頭を悩ませました。
Q.先月、荒牧さんが監督を務めたアニメーション映画『エクスマキナ』のDVDがリリース。前作の『アップルシード』が世界的に評価され、驚異的なセールスも記録したことで、プレッシャーを感じることはなかったですか?
荒牧 たしかにありましたね。セールス的ことはさておき、1作目のときにかなりのアイデアと技術を駆使してしまったものですから、今回は何を見せればいいだろうか、と。同じような技術で見せ方を変えたとしても、それは想像の範囲内だと思うんです。では、どうやれば“期待を超えた喜び”となるのか。これには随分と頭を悩ませました。
幸い、原作者である士郎正宗さんをはじめ、ジョン・ウーさん、細野晴臣さん、ミウッチャ・プラダさんなど、非常に頼りになる方々が全面的に協力してくださいましたから。それがまた、プレッシャーにもなりましたけど(笑)。でも、やはり世界的なクリエイターの方々と一緒に仕事をさせていただくというのは、本当に良い刺激になりました。それが作品のパワーにもなっていると思います。
Q.ちなみに前作では、100名近い若きクリエイターが徹夜もじさない勢いで参加したそうですが、今回の制作現場はいかがでしたか?
荒牧 これがもう、前回にもまして凄まじかったです(笑)。もちろん、一度経験しているという強みもあったので、出口のないトンネルの中をさ迷うようなことはなかったのですが、いかんせんハードルを高くし過ぎてしまったので。それでも現場に行くと、本当に皆の熱気がワッと溢れているんですよね。そのがんばっている姿をみるたびに、彼等に対しても「やった意味を感じてもらえる作品にしなくちゃな」と強く思いました。
Q.プレミアム・エディションは3枚ものディスクが映像特典として付くなどボリューム満点。思いっきり『エクスマキナ』の世界が堪能できそうですね。
荒牧 そうですね。今回は、本当に密度の濃い作品になっていると思います。特典ディスクに収められた映像アーカイブやデザインアーカイブなどで、その濃さを存分に楽しんでもらえたら嬉しいですね。どのシーンを見てもらっても、何かしらかの発見があると思うんです。たとえば、奥の目立たない人物もしっかり芝居をしていたり、立っている人の姿がちゃんと床面に映りこんでいたりと、細かいところまでこだわり抜きましたから(笑)。せっかくのDVDですから、じっくりと、すみずみまで見て楽しんでもらえたらと思っています。
当ホ−ムペ−ジに掲載された記事、写真、イラスト等の無断転載を禁じます。








